過去、現在の行き来にだまされた!『水車館の殺人/綾辻行人』
本棚を整理していたら、かなり前に古本屋で買ったまま”積ん読”になってた綾辻行人の『水車館の殺人』を見つけたので読んでみた。
物語は1年前事件が起こった夜と、ちょうど1年後の現在を行き来しながら進んでいく。
岡山県の人里離れた山間に建っている一風変わった建物。
外壁に三連の巨大な水車が設置されているため”水車館”と呼ばれるその建物で1年前の嵐の夜に起こった惨劇。
過去、事故にあったため白いゴムでできた仮面をつけた館の主、そしてまだ少女のように幼く美しい妻。
そして1年後の今日もまた事件を思い出させるように嵐が近づいてくる、、、
シチュエーションからして物々しくて、いかにもという本格推理もの。
『十角館の殺人(一作目)』、『時計館の殺人(五作目)』とこれまでバラバラに読んできて、本作は二作目にあたるもの。
過去と現在で語り手の視点が違っているのが気にはなっていたんだけど、、
なるほど、そういうことやったんか。
終盤で作者が仕掛けたそのトリックが明かされてからもう一度前に戻って読みかえす、、
なるほど。
作者はちゃんとヒントを要所要所にきっちりと書き記していた!
さすがですね、綾辻さん。
僕の評価:3.5